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教科書を飛び越え、自然と直接ふれあう教育体験 糸魚川・上越エリア

    本州のほぼ中心に位置する新潟県糸魚川地域は、日本の東西をわける境目でもあります。モデルコースでは、フォッサマグナミュージアムをはじめ、糸魚川ジオパーク、海に面した能生(のう)エリア、隣接する上越市水族館「うみがたり」など、糸魚川市から上越市にまたがる広大なエリアをめぐります。コースのコンセプトは、参加者が大地の学習を通じて「教科書を飛び越え、自然と直接ふれあう教育体験」。糸魚川静岡構造線の断層観察、ヒスイなど多種多様な石探し、漁港のセリ市場見学、水族館での海の生き物とのふれあいなどにより、自然環境の豊かさ、地球の雄大さ、そして大切さについて体感する機会を提供します。フォッサマグナミュージアムの学芸員によってオンラインで提供される事前事後学習もあり、科学学習の学びをより一層深めることにもつながります。

  • ヒスイ海岸は、全国各地からヒスイに魅せられた方が訪れる人気の観光地。ヒスイだけでなく、多種多様な石の宝庫でもあります。花崗岩など、教科書にも載っている石が見つかることもあり、教育旅行のコースとしても人気です。最近では、近隣県から旅行で来訪した小学生が大変珍しい「青色翡翠」を発見するなど、もしかすると大発見につながるような体験ができるかもしれません。ヒスイ海岸だけでなく、須沢海岸、親不知(おやしらず)海岸でも同様の体験ができます。

  • 日本列島は「変わり続ける大地」そのもの。 見て触れて、日本の成り立ちを探求できる博物館

    「ヒスイや花崗岩などの石は、いったいどのようにして形作られるのだろう?」

    その答えは、ヒスイ海岸からすぐ近くにあります。「フォッサマグナミュージアム」は、ヒスイの原石などを展示するほか、鉱物資源、そして日本列島の成り立ちについて、6つのエリアにわけて紹介している博物館です。

    展示は令和2年から実施されている新学習要領も反映した内容になっています。たとえば、6年生の理科の教科書の内容でいえば「変わり続ける大地」にあたる内容を、豊富な展示物がありありと教えてくれます。

  • 専門知識を有する学芸員による案内も魅力です。フォッサマグナミュージアム学芸員の小河原さんは「豊かな自然環境がもたらす恵みについても考えていただくきっかけになれば」と話します。

    「ぜひ当館、糸魚川ジオパークをご利用いただき、温泉や、天然ガスなどの地下資源など 『自然の恵みの部分』も学んでいただけたらと思っています。実際に触れていただき、学びを深めるきっかけとしていただければ嬉しいです」と小河原さん。

    学芸員による事前事後学習も実施しており、現地学習の成果をより深めることが期待できます。

  • 目に見える断層! 断層見学公園フォッサマグナパーク

    フォッサマグナミュージアムで学んだら、車で約15分の「フォッサマグナパーク」へ。フォッサマグナパークは、糸魚川-静岡構造線を人工的に露出させた断層見学公園。その名のとおり、本州東側の約1600万年前の岩石と、西側の約3億年前の岩石とが接する断層を実際に見ることができます。糸魚川地域が本州の東西の境目であることを視覚的に学べるのは、日本でもここだけの貴重な体験。

  • 海の恵みも、ジオパークが関係している? 特殊な地形が育む海の幸

    「ジオパークと海とは、実は深い関わりがあるんです。糸魚川の特異な地形が育む豊かな海洋環境についても、楽しみながら学んでいただきたい」と話すのは、糸魚川市観光協会副会長をつとめる清水靖博さん。

    糸魚川沖の日本海から富山湾にかけて、糸魚川静岡構造線やフォッサマグナの延長線とされる「富山トラフ」が伸び、海底は約2,500〜3,000メートルもの深さになっています。海が急に深くなることは、漁港と漁場との距離が近くなるほか、あらゆる深度で様々な魚が獲れることにもつながり、漁獲できる魚の種類も豊富になります。

  • 糸魚川の豊かな海について知るには、現場を見るのがいちばん。糸魚川市内には7つの漁港があり、海の幸が水揚げされています。能生(のう)漁港の市場では、珍しい「昼セリ」の様子を見学することもできるなど、能生漁港では、海産物と地元の産業や文化との関係を学ぶ機会も提供しています。豊かな糸魚川の海の幸を守るために、地元の漁師さんたちがどのようなことをしているのか?といったことを間近で観察できるのもポイント。

  • 能生エリアにある道の駅「マリンドリーム能生」では、特選品でもあるベニズワイガニをはじめ、カニを使ったグルメなど、おいしい海の幸をいただくことができます。

    豊かな漁場としての糸魚川の特性を、地元で働く漁業関係者から直接学ぶことができるのも、糸魚川エリアにおける教育旅行の魅力です。

  • コースの最後は、上越市立水族博物館「うみがたり」へ。日本海に面した立地にあり、教育要素とエンタメ要素両面の良さを持ち合わせた、楽しく学ぶことができる水族館です。目の前に広がる上越エリアの海を再現した展示で、誰でも海の世界を見て体感できることが魅力です。
    す。ほかにもドルフィンパフォーマンス、マイワシが群泳する舞鰯シャイニリュ―ジョンや、ペンギンへのエサやり体験など、教育的かつ楽しいプログラムをペンギンへのエサやり体験など、教育的かつ楽しいプログラムを提供しているのも特長です。

  • 「水槽を覗いてみるだけでも、生きものたちは私たちにさまざまな学びや発見を教えてくれます。魚の
    種類によって泳ぎ方が違うこと、イルカのジャンプの高さやペンギンたちの泳ぐスピードといった身体
    能力のすごさ等、皆さんがそれぞれ感じたことを学びにできる施設です」と話すのは、スタッフの渡辺さん。学校団体向けに、バックヤードツアーや飼育員によるレクチャーなどの「教育プログラム」も提供しており、隣接する長野県をはじめ県外からも多くの学校を受け入れています。

体験は価値

価値とは忘れられない

景色と時間と温度

すべての子供たちへ

新潟から